グレート・スモーキー山脈国立公園

1934年6月15日、フランクリン・ルーズベルトはグレート・スモーキー山脈国立公園を設立する法案に署名しました。

アメリカ先住民は、14,000年前にはグレート・スモーキー山脈に定住していたと考えられています。ヨーロッパ人は、1700年代半ばにグレート・スモーキーを探検するようになりました。そして、フレンチ・インディアン戦争(1754-63)の後、先住民のチェロキー族と白人の探検家の間に緊張が生じました。1780年代に辺境の拠点が設立された後、10年後に白人の入植者が到着し始めました。1801年、ウィリアム・ホエイリーとジョン・ホエイリーが、公園の現在のグリーンブライアー地区への最初の入植者として知られるようになりました。翌年には、ウィリアム・オグルが到着し、ホワイトオークフラッツに定住しました。すぐにさらに多くの人々がやってきてそこに定住し、後にガトリンバーグとして知られることになる町を設立しました。1800年代初頭までに、チェロキー族はスモーキーの支配権をアメリカ政府にとられ、1830年にアンドリュー・ジャクソン大統領がインディアン移動法に署名し、ミシシッピ川以東の全てのインディアン部族をインディアン準州（現在のオクラホマ州）に強制的に移動させられました。

1800年代を通じて、グレート・スモーキー山脈ではしばらくは小規模な伐採が行われました。しかし、アメリカ北東部やミシシッピ・デルタの森林資源が枯渇すると、企業家たちはスモーキー山脈の森林に目を付けます。1880年代には、伐採事業は丸太を川に流し、製材所まで運んで加工していました。これらの事業の多くは、洪水により、数年後に失敗しました。しかし、森林鉄道の技術革新が続き、グレート・スモーキーの貴重な森林を破壊が容易になったのです。1909年までに伐採はピークに達し、1920年までにグレート・スモーキー山脈国立公園地域の約3分の2が伐採などにより失われてしまいました。

伐採会社が森林を切り開くにつれ、実業家たちの中にはグレート・スモーキーを観光資源として捉えるものもありました。すぐにワンダーランド・ホテルとアパラチアン・クラブが設立され、ノックスビルから裕福な訪問者が山の保養地で夏を過ごすためにやってきました。その中には、実業家のデビッド・チャップマンも含まれていた。彼はアパラチアン・クラブのメンバーとともに、この地域の現状を憂い、グレート・スモーキー山脈を国立公園として保護するためのロビー活動を開始しました。

チャップマンは、新しいグレート・スモーキー山脈公園委員会の代表となり、土地購入のための資金を集め始めました。彼は、地元、州、そして連邦政府の問題に対処するために多くの障害に直面しました。何千もの小さな農場を購入し、町全体を移動させるだけでなく、木材の権利を売却するよう伐採会社を説得しなければなりませんでした。さらに、テネシー州やノースカロライナ州の政府との交渉も難航し、政府は公園建設に税金を投入することを拒み続けました。1926年、議会は国立公園を承認したが、国立公園の核となるような連邦所有の土地はありませんでした。ジョン・D・ロックフェラー・ジュニアが500万ドル、米国政府が200万ドルを寄付し、テネシー州とノースカロライナ州の民間人が協力して、公園のための土地を少しずつ確保しました。チャップマンとその支持者たちは、1932年までにほぼすべての土地の購入に成功した。そして2年後の1934年6月15日、正式に公園が誕生しました。

1934年10月8日に発行された国立公園シリーズの10セント切手にグレート・スモーキー山脈国立公園が取り上げられました。