2003年5月3日、ニューハンプシャー州にある「山の老人」の岩山が崩れ落ちました。
ニューハンプシャー州のホワイトマウンテンにある高さ40フィートの「老人の顔」は、5層の赤色花崗岩で構成されていました。 この岩山はまるで老人が東を向いているように見えました。地質学者によると、氷河の流れとと季節的な氷結の力が組み合わさって、この顔を造り上げられました。「老人」は1万年前から存在していたと考えられています。
「山の老人」はフランコニア測量隊のフランシス・ウィットコムとルーク・ブルックスにより1805年に初めて発見されたとされています。ナサニエル・ホーソーンの短編小説「大石面」で 「雄大な遊び心に満ちた自然の造形物」と呼んだこともあり、すぐに一大観光地となりました。
1906年、マサチューセッツのガイ・ロバーツ牧師は、この地層の劣化を最初に報告しました。花崗岩の尾根の氷の凍結と融解が繰り返されることにより、老人の額に隙間ができていました。1920年代には、亀裂が広がらないように鎖で固定していました。 その後、州の予算で、形成を維持すしていました。毎年夏になると手入れが行われていました。1945年、「老人の顔」はニューハンプシャー州の公式な州章となり、やがて州のナンバープレート、州のルート標識などに描かれるようになりました。
こうした保存の努力にもかかわらず、2003年5月3日、この地層は崩落してしまいました。ニューハンプシャー州の人々は、「老人の顔」の喪失を悲しみ、そのふもとに花を残して追悼しました。崩壊から1年後、コイン式の展望台が設置され、かつての断崖絶壁を見ることができるようになりました。
1955年6月21日、「山の老人」の発見から150年を記念する切手が発行されました。