2021年12月31日
当初のアポロ計画は、地球を周回したサターンIB型ロケットによる7号に続いて、8号が1969年初頭に楕円形の中軌道で飛行する2番目のアポロ月着陸船と司令船の有人のテストとして計画され、アポロ9号が月を周回する計画でした。ところが、月着陸船の準備が整わないため、月着陸船を搭載しないアポロ8号で月を周回するミッションに変更されました。計画の変更に伴い9号の乗組員として訓練していたフランク・ボーマン、ジェームズ・ラヴェル、ウィリアム・アンダースの3人の宇宙飛行士が、8号のミッションにつくことになりました。
アポロ8号は、1968年12月21日に打ち上げられ、月までの距離を移動するのに68時間(ほぼ3日)かかりました。アポロ8号は20時間の間に月を10回周回し、その間にクリスマスイブのテレビ放送を行い、そのなかで創世記の最初の10節を読みました。当時、この放送はこれまでで最も視聴されたテレビ番組でした。アポロ8号の乗組員は、月の背後から地球が登る「地球の出」(Earthrise)を目撃した最初の人類となりました。アポロ8号は、1968年12月27日、北太平洋に着水し、帰還しました。
結果的に、アポロ8号はサターンV型ロケットの有人による最初のミッションであり、ケネディー宇宙センターから打ち上げられた最初の有人宇宙船となりました。アポロ8号の成功は、アポロ11号による月着陸ミッションに大きな弾みをつけることになりました。
1969年5月5日アポロ8号の偉業をたたえて、アンダース飛行士の撮影した「地球の出」の写真をもとにした切手が発行されました。