ブラッドベリ・トンプソン(1911年3月25日 – 1995年11月1日)は、20世紀グラフィックデザインの巨匠の一人であり、雑誌や切手のデザインで知られるアメリカのグラフィックデザイナー、アートディレクターです。グラフィックアートの客員教授として 1956年から亡くなる直前までイェール大学で教鞭をとっていました。
1958年4月17日に発行されたブリュッセル万国博覧会を記念する切手は、トンプソンがデザインした最初のアメリカ切手です。
トンプソンは切手のデザインに関わる前に、1939年のニューヨーク万博のカタログ、第2次世界大戦中に米軍情報部が発行した情報誌をはじめとして、多くの雑誌のデザインを手掛けていました。切手のデザインでは、1958年のブリュッセル万国博覧会記念切手のデザインを初めて手掛けました。1964年には音楽家協会50年切手、1967年にはライオンズクラブ50年切手をデザインしました。そして1969年、郵政省の切手諮問委員会の委員となり、デザイン・コーディネーターを務めることになりました。
1975年のクリスマス切手は「Washburn College Bible」の『コリント人への第一の手紙』の冒頭の挿絵として使われたジェラルド・デビッドの絵画が使われています。「Washburn College Bible」はグラフィックデザイナーとしてのトンプソンの大きな業績で、この聖書は、朗読者が自然な話し言葉で朗読することができるように教義のテキストが「フレーズ」毎にに分割されていました。各章の最初には、関連する名画が添えられていました。
1978年の料金改正で初めて発行された「A」切手もトンプソンのデザインした切手で、その後の3回の料金改正でも「B」「C」「D」切手がトンプソンのデザインでした。
ブラッドベリ・トンプソンはタイポグラフィの権威としても知られ、オリジナル・フォントであるaLPHaBeT 26も制作したが、1982年の「アメリカの図書館」切手にはSabon Antiquaという古いフォントを使用しました。これは、彼が「Washburn College Bible」に使用したフォントと同じものです。タイポグラフィに対する彼の魅力は、1984年のLOVE切手にも表れています。このデザインでは、ハートが “V”の文字に置き換えられています。
ブラッドベリ・トンプソンは、雑誌や書籍だけででなく、数センチ四方の小さな切手を印象に残る魅力的なものにしました。