Voyager I Approaches Saturn
1980年11月12日、宇宙探査機ボイジャー1号が土星に最接近した。(切手に取り上げられたのはボイジャー2号)
ボイジャー1号は、1960年代に太陽系外惑星を調査する「グランドツアー」の提案から生まれた。 当初はマリナー計画の一部となる予定だったが、マリナー計画で使用された探査機とは設計が大きく変わったため、ボイジャーと名づけられた。
ボイジャー1号が打ち上げられたのは、176年に一度、地球と外惑星が太陽の片側に集まるタイミングである。打ち上げは1977年9月5日に行われた。 ボイジャーのチームは、重力アシストを開発し、太陽系の4つの巨大ガス惑星を訪問する際に、惑星から惑星へと探査機を移動させることに成功した。 興味深いことに、ボイジャー2号は1号より2週間早く打ち上げられたが、ボイジャー1号の方が軌道が短く、より早く外惑星に到達した。
ボイジャー1号は1979年3月5日に木星に最接近し、3つの新しい衛星とこれまで発見されていなかったリングを発見した。また、木星の衛星イオに活火山があることも、太陽系の他の天体で初めて発見された。
木星からの重力アシストに成功したボイジャー1号は、1980年11月に土星に接近し、11月12日に最接近を果たした。その日、土星に77,000マイルまで接近した。 ボイジャー1号のカメラは土星の輪の中に複雑な構造を発見し、センサーは土星とその月の大気を調査した。また、土星の上部大気の約7%がヘリウムで、残りの大部分は水素であることを発見した。
このミッションでもう一つ重要だったのは、土星最大の衛星タイタンを観測したことである。厚い霞のため、探査機は重要な視覚的観測を行うことができなかったが、大気の組成、温度、気圧を測定することができた。 その結果、タイタンには液体の炭化水素の湖がある可能性があると科学者たちは確信した。
ボイジャー1号は太陽系内を飛行し、1990年2月14日に太陽系を外から見た最初の「家族の肖像」を撮影した。 地球から約37億マイル離れた場所で撮影されたこの写真は、6つの惑星と背景の一部を写した60の個別のフレームからなるモザイク写真である。
その後、ボイジャー1号は旅を続け、1998年2月17日に地球から最も距離のある探査機となった。 その後も探査機は太陽系の研究、すなわち太陽風の研究を続け、2012年に星間空間(恒星と恒星の間の空間)に到達した。 探査機はさらに宇宙で活動を続けることができるが、今後数年のうちにいくつかの機器が停止し始め、2030年には電力の供給が終わる見込みである。
ボイジャーは、万が一、他の知的生命体に発見された場合に備えて、地球や生物の写真、科学情報、各国の指導者の挨拶、クジラや赤ちゃんの泣き声などの「地球の音」、モーツァルト、チャック・ベリーなど世界の音楽家による音楽を収録したレコードを搭載している。